つぶてを~
ラストレターを観た。
バイト先の女子大生にすすめられてたから。
あんまり観る気起きてなかったけど
休日の終わり際。
森七菜の「カエルノウタ」を聴きながらエンドロール流しながらかいてる。
岩井俊二節。映える詩のような画面作りと光の技。
それにエンタメ性の高い導入をくわえ
物語として楽しく観れる仕掛けも充分。
物語の盛り上がり際で、内省的な部分の吐露を爆発させるわざ。
先輩のことが好きだった妹。姉のことが好きだった先輩。
再会する妹、素性を明かさない妹。
ラブレターを見せなかった妹
広瀬すずだからこそ成立した姉。
告白する妹。
死んでしまった姉。売れない小説家の先輩。
先輩にグサリとくることをいう阿藤。
あのときああすれば、そういう後悔を切ない後悔を
原風景と共にがんがんぶつけてくる。
どうしたらいい、なんとか主人公は向き合う。
ただ前を向くだけじゃ退屈になるんだけど
それが1人じゃないから見てられたんだと思う。
夏休みのあのひと時をまた味わせてくれる感じも良かった。
現代に手紙という心通わせる手段もまた良かった。
初恋の力、馬鹿にしがちなところを大の大人が大金つかって
美しく描いてくれるだなんてそれだけでやっぱ
初恋って素晴らしいよなって。
1人が前を向きなおすだけじゃ弱い。
まあそれにしても、会いに来る、見つけに行く、から転がってるストーリー。
数名が前を向く。ここに俳優の美しさ、演技の美しさ、景色の美しさが徹底的に加わるからこその二時間だったんだと思う。
1人だったならもっと徹底的に後悔をひねりつぶす。
良い映画だった。人生は一冊の本なんかじゃ語り尽くせないけど。
この一本の映画はたしかになにかが詰まってた。芸術とエンタメ。